「整形外科に通っているけど、接骨院にも行っていいの?」「接骨院と病院の両方に通うメリットはある?」――このような疑問を持つ方は少なくありません。
結論から言えば、接骨院と整形外科の併用は可能であり、むしろ効果的な方法です。それぞれの施設には得意分野があり、上手に使い分けることで腰痛や体の痛みをより効率的に改善できます。
なお、接骨院と整骨院は同じ施設です。名称が異なるだけで、どちらも国家資格である柔道整復師が施術を行います。
この記事では、接骨院と整形外科を併用する方法、注意すべきポイント、保険適用のルールまで詳しく解説します。
この記事で分かること:
- 接骨院と整形外科を併用するメリット
- 保険適用における併用のルール
- 紹介状は必要かどうか
- 効果的な併用パターンの具体例
- 併用時の注意点と連携のコツ
接骨院と整形外科の併用は可能

法律上の制限はない
接骨院と整形外科の併用について、法律上これを禁止する規定はありません。それぞれ異なる役割を持つ施設であり、患者が自分の判断で両方に通うことは問題ありません。
ただし、保険適用に関してはルールがあるため、後述する保険のルールを理解しておく必要があります。
併用が効果的な理由
接骨院と整形外科は、それぞれ以下のような強みを持っています。
| 施設 | 強み |
|---|---|
| 整形外科 | レントゲン・MRI検査、確定診断、投薬・注射、手術 |
| 接骨院 | 手技療法、骨盤矯正、リハビリ、セルフケア指導、通いやすさ |
この2つの強みを組み合わせることで、正確な診断に基づいた効果的な施術を受けられるのが併用の最大のメリットです。
併用の具体的なメリット

メリット1:正確な診断と手厚い施術を両立
整形外科では画像検査による正確な診断を受けられますが、施術時間は短い傾向にあります。一方、接骨院では一人ひとりに時間をかけた手技療法を受けられます。
併用することで:
- 整形外科で「何が原因か」を明確にできる
- 接骨院で「原因に対して丁寧な施術」を受けられる
- 整形外科で定期的に「改善状況を確認」できる
メリット2:それぞれの治療法の相乗効果
整形外科の薬物療法と接骨院の手技療法は、異なるメカニズムで痛みにアプローチするため、相乗効果が期待できます。
- 整形外科の消炎鎮痛剤で炎症と痛みを抑える
- 接骨院の手技で筋肉のこわばりをほぐし血行を改善する
- 接骨院の運動指導で再発防止に取り組む
メリット3:通院の利便性が向上
整形外科は平日の日中しか開いていないことが多いですが、接骨院は夜間や土日に営業している施設が多いです。
- 平日の仕事後や土日に接骨院で施術を受ける
- 整形外科には月1回程度の経過観察で通う
- 急に痛みが強くなった場合は整形外科を受診する
このような使い方で、仕事や生活に支障をきたさずに継続的なケアが受けられます。
保険適用の併用ルール

同じ部位・同じ日の保険適用は不可
併用時に最も注意すべきポイントは、同じ部位に対して同じ日に接骨院と整形外科の両方で保険を使うことはできないという点です。
保険適用の基本ルール:
| パターン | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 同日・同部位で両方保険適用 | 不可 | どちらか一方のみ |
| 別の日に同部位で両方保険適用 | 条件付き可 | 整形外科の通院が優先される場合あり |
| 同日でも異なる部位 | 可 | 腰は整形外科、肩は接骨院など |
| 接骨院を自費で利用 | 可 | 保険のルールに抵触しない |
整形外科と接骨院で同じ症状を保険で受ける場合
同じ部位の症状について整形外科と接骨院の両方に保険で通う場合は、以下の点に注意しましょう。
- 整形外科の治療が優先される場合がある
- 保険者(健康保険組合など)から確認の通知が届くことがある
- 通知が届いた場合は正直に回答する
不安な場合は、接骨院の窓口で「整形外科にも通っている」と伝えれば、保険適用について適切にアドバイスしてもらえます。
紹介状は必要か

接骨院から整形外科への場合
接骨院から整形外科に行く場合、紹介状は基本的に不要です。整形外科は大学病院などの大規模病院を除き、紹介状なしで受診できます。
ただし、接骨院の施術者が必要と判断して整形外科を紹介してくれる場合があります。その場合は経緯を書いた書類を作成してくれることもあり、スムーズに受診できます。
整形外科から接骨院への場合
整形外科から接骨院に通う場合も、紹介状は必要ありません。患者自身の判断で接骨院を選んで通うことができます。
ただし、以下のケースでは整形外科の医師に相談しておくとよいでしょう。
- 骨折の後療法として接骨院を利用したい場合(医師の同意が必要)
- 脱臼の後療法として接骨院を利用したい場合(医師の同意が必要)
- 整形外科で処方された薬の服用中に接骨院の施術を受ける場合
効果的な併用パターン

パターン1:腰痛の場合
おすすめの流れ:
- 整形外科を受診:レントゲンやMRIで原因を特定する
- 診断結果を踏まえて接骨院へ:手技療法で筋肉・骨格のバランスを改善
- 接骨院に定期的に通院:週1〜2回の施術で症状を改善
- 整形外科で経過観察:月1回程度の定期検診で改善状況を確認
- 症状改善後はメンテナンス:月1〜2回の接骨院通院で再発予防
パターン2:交通事故後のケガの場合
交通事故によるケガ(むちうちなど)の場合、以下の併用パターンが一般的です。
- 整形外科を受診:事故直後にまず整形外科で検査・診断を受ける
- 自賠責保険の適用:交通事故の場合は自賠責保険が適用される
- 接骨院でのリハビリ:通院しやすい接骨院で定期的な施術を受ける
- 整形外科での経過確認:定期的に整形外科で経過を確認する
交通事故の場合は保険の手続きが複雑になるため、接骨院・整形外科の両方に「交通事故での通院」であることを伝えましょう。
パターン3:スポーツのケガの場合
- 整形外科で検査:骨折や靭帯損傷の有無を確認
- 急性期は整形外科:投薬や注射で痛みと炎症を抑える
- 回復期は接骨院:手技療法とリハビリで機能回復を目指す
- 競技復帰前に整形外科:画像検査で回復状況を確認
併用時の注意点と連携のコツ

両方の施設に情報を共有する
併用を効果的に行うための最も重要なポイントは、両方の施設に他方にも通っていることを正直に伝えることです。
- 接骨院では「整形外科でこのような診断を受けた」と伝える
- 整形外科では「接骨院にも通っている」と伝える
- 処方薬の情報を接骨院に伝える
- 接骨院での施術内容を整形外科に伝える
情報を共有することで、両施設が連携して効果的な治療計画を立てることができます。
医療機関との連携ができる接骨院を選ぶ
信頼できる接骨院は、必要に応じて整形外科への受診を勧めてくれます。
良い接骨院のサイン:
- 「まず整形外科で検査を受けてきてください」と言ってくれる
- 近隣の整形外科と連携関係を持っている
- 施術の限界を正直に伝えてくれる
- 整形外科の診断結果をもとに施術計画を立てる
反対に「うちだけで大丈夫です」と言い切る接骨院には注意が必要です。
まとめ:接骨院と整形外科の併用で効率的に痛みを改善しよう

接骨院と整形外科の併用についてまとめます。
- 接骨院と整形外科の併用は可能であり効果的
- 整形外科の強み(検査・診断・投薬)と接骨院の強み(手技・リハビリ・通いやすさ)を組み合わせる
- 同日・同部位で両方に保険を使うことはできない点に注意
- 紹介状は基本的に不要(骨折・脱臼の後療法は医師の同意が必要)
- 両方の施設にお互いに通っていることを伝えることが大切
- 整形外科と連携できる接骨院を選ぶのがベスト
それぞれの施設の強みを活かした併用で、腰痛や体の痛みの改善を目指しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 接骨院と整形外科は同時に通っても大丈夫ですか?
A. はい、併用は可能であり効果的な方法です。整形外科で正確な診断を受けながら、接骨院で定期的な手技療法を受けるという使い方がおすすめです。ただし、同じ部位に対して同日に両方で保険を使うことはできませんのでご注意ください。
Q. 接骨院に行くのに整形外科の紹介状は必要ですか?
A. いいえ、紹介状は必要ありません。患者自身の判断で接骨院を選んで通うことができます。ただし、骨折や脱臼の後療法として接骨院を利用する場合は医師の同意が必要です。整形外科の診断結果を接骨院に伝えるとスムーズです。
Q. 整形外科と接骨院の保険は両方使えますか?
A. 条件付きで可能です。ただし、同じ部位に対して同じ日に両方で保険を使うことはできません。また、同じ症状について同時期に両方で保険を使っていると、保険者から確認の通知が届く場合があります。不安な場合は接骨院の窓口に相談しましょう。
Q. 整形外科で異常なしと言われたのですが接骨院に行っていいですか?
A. はい、むしろおすすめです。画像検査で異常が見つからない腰痛は全体の約85%を占めます。筋肉や筋膜の緊張、骨格バランスの乱れなど画像に映らない原因に対しては、接骨院の手技療法が効果的とされています。
Q. 併用する場合、どのくらいの頻度で通えばいいですか?
A. 一般的な目安として、接骨院は症状に応じて週1〜2回、整形外科は月1回程度の経過観察が効率的です。痛みが強い初期は接骨院の通院頻度を増やし、改善に伴い減らしていくのが一般的な流れです。施術者と相談しながら調整しましょう。

